塙凹内名刀(新刀)之巻
- アイテムセット
- 作品目録 1917〜1977
- 作品タイトル
- 塙凹内名刀(新刀)之巻
- 別タイトル
- なまくら刀
- ためし斬り
- 製作
- 小林商会
- 作者・スタッフ
- 幸内純一
- 巻数
- 1
- 公開年月日
- 1917年6月30日
- 封切
- 浅草 帝国館
- フォーマット
- 35mm
- 色
- 白黒
- 音声
- サイレント
- 略筋
- 名刀とだまされてなまくら刀を買わされた凹内が、河岸で按摩をためし切りしようとして、 かえって馬鹿にされる。
- 解説
- 幸内作品第一作。弁士は当時売れっこの染井三郎。「活動之世界」第2巻9月号(大正6 ・9)の批評欄にアニメ評が登場する。ここでは 「試し斬」という題名が使われており、 "凸坊新画帖『試し斬』(小林商会作帝国館上場)"という小見出しの後に以下の文章が続く。「日本で線画の出来る様になったのは愉快である、殊に小林商会の『ためし斬』は出色の出来栄で、天活日活のものに比して一段の手際である、殊に題材の見付け方が面白い、日本の線画は成るべく日本の題材で行きたい『試し斬』といふ純日本式題材を捉へて来て、之を滑稽化した所に、凸坊式面白味が溢れて居る、日活の線画が、人物は日本のものにしながら、その行き方を舶来其儘に仕て居るのは 断じて不得策、之では舶来映画に比して、直ちに見劣りのするのが目につく、殊に駒数を惜む為め、人物の動作が甚だしく断続的になるのは見苦しい、この「ためし斬』はや、完全に其の弊が除かれて、かなり人物の動きが尋常であった。言ふ迄もなく、線画の妙味は線にある。『ためし斬』は外は無難であったが、人物の表情が如何にも悪感であった、凸坊画帳は、如何なる場面にも表情は凸坊式愛嬌がなくてはならぬ。日活の猿蟹合戦は、日活線画中の代表作であるが、線が太くてぞんざいで、変化がなく、蟹にも猿にも表情のなかったのは遺憾である。線画に於ては、猿蟹は固より、場合によっては生なき物にも表情が必要である、そして、その表情に多少の人間味を加味するといふ事が大切である。現在の日本線画は此点に於て総て工夫を欠いて居る。此の『ためし斬』の後半に、影絵を応用したのは仲々の思ひ付きであった。」
- リストID
- NAE0007
- 掲載ページ
- 192