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作品タイトル
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孫悟空物語
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別タイトル
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切紙細工 西遊記 孫悟空物語
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製作
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自由映画研究所
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作者・スタッフ
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大藤信郎
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配給
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中央映画社
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巻数
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3
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公開年月日
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1926年10月29日
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封切
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武蔵野館
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新宿松竹館
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フォーマット
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35mm
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色
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白黒
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音声
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サイレント
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尺(長さ)
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1044m
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時間
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56分
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略筋
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唐の時代の長安の都、太宗(たいそう)皇帝の勅命を受けて、伭奘三蔵(げんじょうさんぞう)が大乗の仏典を求めて、西天竺(さいてんじく)への旅に出る。途中、三蔵和尚は大岩に閉じ込められた孫悟空に出会う。悟空はいたずらが過ぎて釈迦如来によって五行山(ごぎょうざん)に封じ込められていたのだ。三蔵和尚は悟空の願いを受け容れ、お経を唱えて助けてやる。三蔵和尚の弟子になった悟空は、娘に襲い掛かっている豚の化け物を懲らしめる。豚の化け物は「和尚様を待っていた」と言い、三蔵法師は「仏法に帰依する心があれば」と、猪八戒の名を与え、弟子に加える。悟空は如意棒を手に、八戒は熊手を手に、三蔵和尚に従って旅を続ける。八戒と争っている河童の化け物を、悟空が如意棒でやっつける。河童の化け物も沙悟浄と名を改め、三蔵和尚の弟子に加わる。怪物(牛魔王か)が悟空に戦いを挑む。悟空が怪物の刀を奪うと、怪物は地中の穴に逃げ、その上に大石が飛んでくる。悟空は刀を投げて、その大石の上に突き刺す。芭蕉扇(?)を手に持って三蔵一行のもとに戻って来た悟空は、玉を出し扇を投げ上げると、空中に飛んだ扇は山(火焰山か)を砕き、雪を頂いた霊山が現われる。それは大乗の経典を蔵する雄宝殿である。三蔵和尚が雄宝殿の如来様へ経典を授けて頂くように頼むと、如来様は「経典は龍車に乗って送るであろう」と言われる。
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解説
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大藤信郎の千代紙映画第2作。オリジナルは35mm、全3巻、1044m(16fpsで56分)。神戸映画資料館所蔵プリントは奥商会映画部が販売した16mm短縮版でオレンジ染色が施されている(16fpsで8分、エンドマーク欠)。この版はエピソードのつなぎに混乱が見られたため、ストーリーにそって修正した。『キネマ旬報』の広告や紹介号では製作会社として自由映画研究所の表記はなく、「製作 大藤信郎」「脚色作画並操手 大藤信郎」となっているが、検閲時報の製作者の項目に自由映画研究所とある。封切は徳川夢声、山野一郎らが弁士を務める新宿・武蔵野館でアメリカ映画との併映で公開された。なお書籍『日本アニメーション映画史』の略筋は、『キネマ旬報』1926年10月11日号の「各社近作日本映画紹介 孫悟空物語」の略筋を参考にしたものであった。NPO法人科学映像館には9.5mmのパテベビー版2巻(約6分30秒)が掲載されており、メインタイトルやエンドマークはないものの、中間字幕が多く、三蔵法師が孫悟空や猪八戒、沙悟浄と出会う経緯が、地名等を交えて詳しく説明されている。ただこの版には孫悟空が怪物と戦い、その後に霊山が現れる場面が省略されており、すぐに大乗の経典を蔵する天竺の「大雷音寺の大雄殿」(雄宝殿ではない)の場面になっている。またウェブサイト「映画の郷」にも同じくパテベビー版が図版と共に紹介されているが、科学映像館のものと字幕の字体なども含め若干異なっているように思える。
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リストID
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NAE0059
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掲載ページ
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194
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更新履歴
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略筋を更新、別タイトル、封切、フォーマット、尺、解説を追加 [令和6年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業によるデータベース制作]