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作品タイトル
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雲雀の宿替
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別タイトル
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漫画 雲雀の宿替
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製作
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横浜シネマ商会
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作者・スタッフ
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脚色:青地忠三
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漫画:村田安司
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配給
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提供:横浜シネマ商会
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配給 [関東]:岡本洋行
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配給 [関西]:奥商会
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公開年月日
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1933年2月
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フォーマット
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35mm
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色
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白黒
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音声
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サイレント
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略筋
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初夏、たわわに実った麦畠に暮らす雲雀(ひばり)の一家は、お父さん、お母さん、赤ちゃん、三兄弟の六人家族。父さんと、赤ちゃんをおんぶした母さんは、作業のため家を留守にする。家を空ける時、母さんは三兄弟に、畠の主人がどんなことを言うかよく聞いておくよう頼む。その日の夕方、三兄弟は、「近所のものはあてにならぬ、親類を呼び出して、すぐに刈入れにかかろう」という畠の主人の会話を伝える。畦に住んでいた野鼠は昨夜のうちに引越したとのこと。雲雀の父さんは、その言葉を聞いて、宿替を促す母さん等に「まだ慌てることはない」という。それから二三日後の雨の日、野鼠の空家に蛙が入ろうとすると、蛇の先客がいる。蛙は番傘を蛇に喰わせ、やっつける。その時、畠の主人は「もう人手は頼まぬ、お前とおい等で、あすは降っても照っても刈入れだぞ」と言う。その晩、雲雀一家の引越し準備が整う。雲雀の父さんは「人をあてにしている間は、何事も出来ない。『自分でやる』と決心してはじめて仕事が出来る」と心得を述べる。翌日はからりと晴れた引越日和、蛙に見送られ、大八車に荷物をいっぱい載せた雲雀一家は引越しをする。
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解説
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横浜シネマ商会の短篇文化映画シリーズ「アテナライブラリー Atena Library」第63篇。35mm版の発売は関東方面を岡本洋行が、関西方面を奥商会が行い、16mm版は小西六本店が行った。神戸映画資料館所蔵プリントは16mmサクラグラフ版(24fpsで13分)。『イソップ寓話集』(中務哲郎訳、岩波文庫、1999年3月)では325篇「雲雀と農夫」(241頁)。服部栄「今月の映画教育経営」(『教材映画』1938年4月号)では、尋常小学校2年の修身の教材として「自分の事は自分でなすべきことを教えて自立自営の精神を養わせるが目的」とあり、「斎藤内閣(映画が製作された1933年当時の斎藤実首相の挙国一致内閣)の目指した自力更生」を当て込んで製作されたものと指摘している(26~27頁)。また加藤生「新作紹介『雲雀の宿替』」(『活映』1933年5月号)では雲雀の子どもたちを「無邪気に爆弾三勇士の真似」をして遊んでいると描写している。
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リストID
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NAE0224
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掲載ページ
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208
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更新履歴
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作者・スタッフ、略筋を更新、別タイトル、配給、フォーマット、音声、解説を追加 [令和6年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業によるデータベース制作]