-
作品タイトル
-
桃太郎の海鷲
-
製作
-
芸術映画社
-
企画
-
海軍省報道部
-
作者・スタッフ
-
後援:海軍省
-
製作:大村英之助
-
脚本:栗原有茂
-
技術・構成:持永只仁、田辺利彦、橋本珠子、塚本靜世
-
演出・撮影:瀬尾光世
-
音楽
-
音楽:伊藤昇
-
配給
-
映画配給社
-
巻数
-
5
-
公開年月日
-
1943年3月25日
-
封切
-
白系
-
フォーマット
-
35mm
-
色
-
白黒
-
音声
-
トーキー
-
尺(長さ)
-
1018m
-
時間
-
37分
-
略筋
-
航空母艦の艦長、桃太郎は、犬、猿、キジの飛行士、兎の整備員を前に訓辞。空母は風浪をついて鬼ケ島軍港めざし進攻。兎の整備員は飛行機に魚雷をセット、発進を待つばかり。やがて雷撃機は一機一機と飛び立つ。途中、母鷲を見失った迷い子の子鷲を助け母鷲に届けてやるエピソード。雲の切れ目から鬼ヶ島(オアフ島)がかいま見える。大編隊は軍港へ突入、爆撃が始まり敵艦隊は次々沈んで行く。撃沈された船のまわりの海面には浮輪やウイスキーのビンが浮いていたりする。アメリカ軍は酒ばかり飲んでいて戦意がないということを、印象づけようとしたものか。次は奇襲部隊の飛行場爆撃で、これはホイラー飛行場がモデル。飛行中の飛行機から猿ばしごで地上へ。待機中の敵機に爆薬を仕掛け、再び猿ばしごで飛行機へ。沈没寸前の敵艦の甲板をポパイの仇役ブルートそっくりの水兵が逃げ回るが、揚句の果てはマストへ登る。マストも沈み、空中へ登るギャグ。アメリカ漫画のお決まりのギャグを頂いている。攻撃機の一機の操縦席に小さな鯉のぼりが吊されている細かい演出。攻撃中被弾した一機は燃料洩れ。そこから火がつく。主翼の先端も折れ安定飛行は出来ない。塔乗員の猿が翼の上にのぼり長い尻尾の先で折れた翼を引っかけるギャグ。しかし機はだんだん炎につつまれる。前記の鯉のぼりに火がつきパッと燃える描写。もはやこれまでという時、子鷲を助けたお礼に母鷲が飛行士を救い無事母艦に届ける。かくして全機無事帰艦。 跳び上って喜ぶ兎の整備員たち。桃太郎艦長も嬉しそう。この桃太郎艦長は最初と最後に出て来るだけの無表情で良いキャラクターではない。飛行士の犬、猿の動きはよく描けている。面白いのは公開当時の雑誌に使用されていた映画の場面スチ ルで飛行機とか船のシーンには全て海軍省の検閲済の(海検乙第○○号の○○)との注釈が必ずついていた。
-
解説
-
海軍省がハワイ真珠湾攻撃の成功をPRするために製作委託したもの。5巻物は日本の動画で初の長編。作画枚数十万枚と言われている。 昭和17年4月より、日本の映画館は各社の配給部門の統合で"紅""白"の二系統に分かれていた。この映画は、記録映画「闘う護送船団」と二本立で白系で封切られた。公開前の制作タイトル(仮題)は「桃太郎陸鷲部隊(荒鷲部隊)」。映画旬報ベストテン第三位。
-
リストID
-
NAE0415
-
掲載ページ
-
229
-
更新履歴
-
作者・スタッフを更新 [令和6年度メディア芸術アーカイブ推進支援事業によるデータベース制作]