上の空博士
- アイテムセット
- 作品目録 1917〜1977
- 作品タイトル
- 上の空博士
- 製作
- 朝日映画社
- 作者・スタッフ
- 後援:陸軍省航空本部
- 原案:横山隆一
- 脚本:前田一
- 演出:前田一、浅野恵
- 動画:浅野恵
- 撮影:下村八三
- 音楽
- 音楽:服部正
- 巻数
- 1
- 公開年月日
- 1944年
- フォーマット
- 35mm
- 色
- 白黒
- 音声
- トーキー
- 尺(長さ)
- 305m
- 時間
- 11分
- 解説
- 森卓也が映画評論(38年2月号"動画映画の系譜4第二部・戦中篇"で「上の空博士」 について適切な評を書いているので引用させてもらう。「"上の空博士"は、同題の隆一マンガが、 朝日新聞に連載されたのが、すでに本土決戦のか け声高い頃である。何の添え物だったか、それさえ忘れてしまったが、ともかく、予告篇に毛が生えたくらいの尺数で、セリフなし、軽いバンド演奏(音楽・服部正)に乗って、白ヒゲの工ネルギッシュなおじいさんが、つぎつぎに珍発明珍兵器をお目にかけるのが、小気味よくスピーディな展開で、いずれも、"マー坊の落下傘部隊"的な血な まぐさい直接的殺人兵器でないのがまずうれしい(フライシャーの「グランピィ先生」のイキだ)珍型ヘリコプターのテストに失敗し、墜落した博士を助手(一向オタオタしないところ、ドライでよろしい)が運ぶ手押車の横移動が、ツイとでっかい赤十字の向こう側へ入ってしまう呼吸のよさ。ベッドにうなされている博士の頭の周囲を、さまざまな型の珍飛行機のイメージが、飛んでは消え、ぶつかっては散るあたりのセンス。ついに、氷嚢を載っけたまま(首筋に支えを立て、ブラ下げてある)飛びおきた博士は、格納庫を走り回って、たちまちくだんの珍ヘリを改良、助手が乗って飛び立ち、空中でストップさせ、タンク・タンクロー(筆者注=坂本牙城の漫画の主人公)のごとくマンマルな機体の、あちこちの穴から、プロペラ を出したり翼を出したり首を出したり、みごと成功。地上で見上げる博士(これも、ダラシなく喜ばないところ、またよろしい)の目の前に、氷嚢がフワリフワリとブラ下ってエンド、というのも、軽くていい」。森はこの作品を評して「簡潔な線とテンポの魅力、今日のリミテッド・スタイルヘの暗示を内包したユニークさは、前衛的ですらあった」と書いている。
- リストID
- NAE0427
- 掲載ページ
- 232