桜
- アイテムセット
- 作品目録 1917〜1977
- 作品タイトル
- 桜
- 別タイトル
- 春の幻想
- 製作
- 日本漫画映画社
- 作者・スタッフ
- 山本早苗
- 演出:政岡憲三
- 撮影:西倉喜代治
- 音楽
- 音楽:ウェーバー作曲 "舞踏への歓誘"(ストコフスキー指揮、フィラデルフィア・オーケストラ演奏)
- ビクター・レコード
- 巻数
- 1
- 公開年月日
- 1946年
- 完成
- 1946年5月
- フォーマット
- 35mm
- 色
- 白黒
- 音声
- トーキー
- 解説
- 20年10月、山本早苗、政岡憲三らを中心に新日本動画社を結成。しかし、新日本動画社としての作品はなく、山本早苗、政岡憲三らのグループは同年11月、日本漫画映画社を設立して新発足。村田安司、荒井和五郎らもこの日本漫画 映画社に参加した。政岡憲三は日本漫画映画社第一作「桜」を21年5月に完成したもののオクラになってしまい一般上映はされなかった。のち、「春の幻想」と改題の16ミリプリントが流布されたが、現存のフィルムはトップが切れており配給会社不明。あるいは闇プリントかも知れぬ。内容は、ウェーバーのクラシック音楽で展開する春の幻想詩。京の舞子の立居振舞、舞い散る桜の花吹雪、たわむれる仔犬、その中を二人の擬人化された蝶が飛び回る。蝶の顔は当時少女雑誌に挿絵を描いていた辰巳まさえが、風に舞う桜の花びらは童画の黒崎義介が、屋方舟は乗り物絵本の名人といわれた安井小彌太がそれぞれ原画を描き、事実、動画も一部担当したそうである。スタッフ・タイトルに動画家の名は一人も出て来ないので不明なのは残念だ。黒崎義介は「すて猫トラちゃん」の母猫の原画を描いていることも付記する。これといって物語の筋はなく動画による映画詩なのだが、描かれた舞子を見ても、京都で生活し、昔、日本画を習った政岡憲三の純日本的な情緒の世界がかいま見れた。女性の美しい頚(うなじ)に魅かれると言われた政岡老の言葉がまさにピッタリの映画なのである。
- リストID
- NAE0437
- 掲載ページ
- 234
- [KPFA収蔵ID]
- 17388