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作品タイトル
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王様のしっぽ
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製作
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日本漫画映画社
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原作者
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いわさき・たろ(岩崎太郎)
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企画
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鈴木康文
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作者・スタッフ
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脚色:いわさき・たろ、瀬尾光世
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動画:福井英一、小幡俊治、古沢日出夫
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演出:瀬尾光世
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撮影:喜多村保
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音楽
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作曲:高木東六
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演奏:コロムビア・オーケストラ
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コーラス:NHK東京放送合唱団
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巻数
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5
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公開年月日
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1949年
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完成
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1949年10月
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フォーマット
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35mm
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色
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白黒
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音声
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トーキー
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声優
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NHK東京放送劇団 (小山源喜、七尾伶子、加藤道子、ほか)
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尺(長さ)
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915m
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時間
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33分
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略筋
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狐の王国に王子が誕生したが突然変異かこの王子には権威の象徴たるべきフサフサした尻尾がついていなかった。王様はじめ重臣一同、頭を痛め会議を開く。会議の結果、狐国の憲法第百条に「王子の前で尻尾を見せることまかりならぬ」 という一項が追加され、街中におふれが出る。壁のポスターの尻尾に至るも消され、銅像まで尻尾部分を壊される。成長した王子がある日、食事の際、テーブルから豆をころがす。給仕が豆を拾おうとした時、ズボンから尻尾がはみだす。王子の疑問に重臣は、あれはつっかえ棒だと苦しい答弁。 王子は王位を継承し、ある日国中の視察を思い立つ。国民は尻尾かくしに大わらわ。王様の馬車を迎えて国民は尻尾をかくしての大歓迎。ある日、オーケストラ演奏会に出席された王様は、尻尾をかくして指揮に熱中したコンダクターのズボンがやぶれ、尻尾がとび出した瞬間を目撃、驚きのあまり卒倒してしまう。やがて王様は国民全部が立派な尻尾を持っていて、それが狐王国の誇りであったことを知る。そして、かくせというところから無理が出るのだ。王様は自分に尻尾がなくても尻尾をかくせの命令は一切やめると布告を出し、国民は大喜びする。
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解説
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二十三年一月、日本漫画映画社へ入社した瀬尾光世は、三月から新作の企画に着手。テーマはアンデルセンの「裸の王様」を題材に、尻尾のない狐の王様を主人公にして権威への盲従に対する諷刺と、民主主義の正しいあり方について考えるという意図のもとに製作された。作曲を高木東六に依頼。プレ・レコーディングによって作画開始。作画に動員したアニメーター延べ四千人。作画枚数十万枚。使用枚数三万枚。モノクロ作品だが、使用絵具は十二色にものぼった。途中、製作資金不足で中断し、一年十ケ月を費し二十四年十月やっと完成した。製作フィルムは完成当初四千二百フィートだったが長すぎるとの理由で三千フィートにカット。総費用は当時としては破格の六百万円(この中には日本漫画映画社の累積赤字が含まれるので、実際はもっと少ない)が費やされ、東宝系でフラハティーの記録映画「北極のナヌーク」と二本立封切予定が、当時の東宝社長、米本卯吉の命令で内容的に赤がかった作品だとの理由でキャンセル。一般公開はされずじまいに終わった。この作品で大幅な製作費を要したため、日本漫画映画社は倒産。瀬尾光世も動画映画の世界から足を洗い、名も瀬尾太郎と改め、童画美術の方へ転身した。アニメーターの福井英一はのち、児童漫画家として活躍。代表作は柔道漫画「イガグリくん」。「王様のしっぽ」を見た手塚治虫は、この作品をヒントに尻尾のある、リスと人間の混血児の様な少年を主人公にしたSF大作「0(ゼ ロ)マン」(三十五年)を描き、その後、再びSFの児童向き絵本「ビス・ビス・ビス星ものがたり」(五十年十二月、大都社刊)では尻尾を持った星の住人の物語を描いている。この作品のあとがきは「この作品は、ざっと十二年以上前の、未発表作品です。これを描くすこしまえ、ぼくは、括“0マン”という、しっぽのあるこどものものがたりを創りました。なぜぼくがしっぽにこだわるかというと、ぼくが戦後まもなくみた“王さまのしっぽ”、というマンガ映画がもとです。その映画はキツネの王さまと、アンデルセンの“はだかの王さま”をくっつけたような創作童話でした。たいへん美しく魅力にあふれたマンガでした。“ビス ・ビス・ビス星ものがたり”は、もちろんそれとはお話がぜんぜんちがいます。そして、これはいくぶんおとなむきになっています。SFで味つけもし、こんど書き足した部分もあります。公開にめぐまれず、たいへんな努力の末にろくに日の目を見ないでオクラ入りした“王さまのしっぽ”の スタッフの皆さんへ、この作品をささげたいとおもいます」と書かれている。
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リストID
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NAE0474
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掲載ページ
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238